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弟子入り体験学習を行いました

2012年10月、11月、木町通小学校の5年生2名が、社会科授業の一環として仙台本社にて義肢装具製作の弟子入り体験を実施しました。社内で使用している工具や機械、義肢、装具の見学、インソールの製作体験、体幹装具の採型を体験していただきました。

まずはインソール製作の体験です。
足裏の形を出すために、砂が固まったようなスポンジ(トリッシャムといいます)に足を押し付けます。
ハッキリと足裏の型が残りました。


トリッシャムの中に、チョークの粉のような「石膏」と呼ばれるものを、お湯に溶かして流し込みます。
子ども達の足型(石膏モデル)の出来上がり!
できたてホッカホカです。

次に、できたての石膏モデルをもとに、インソール(中敷)を機械で削り出します。
その削り出したインソールに、抗菌カバーを貼り付ける作業をしました。

義肢装具用の特殊なボンドは、もったりとした重たい水のりのようで、すぐに乾いてしまうため、すばやく一度で貼らなければなりません。そんなボンドを相手に表情は真剣そのもの!
一発勝負の世界に悪戦苦闘しながらも、とても楽しそうに見えました。


最後に、お互いに体幹装具を製作するための型取り(採型)をしました。
まずは、採型方法の手ほどきを受けました。「見て、聞いて、触って、感じる!」。職人の基本はバッチリです。
話を聞きながら、時々質問も飛び出し、いざ実践!

ラップでぐるぐる巻きにされ、何が起こるかドキドキな様子。
続いて石膏が練りこまれている包帯をお湯につけて身体に巻きつけます。


師匠!上手いでしょう?と、ふたりでドヤ顔っ(笑)
教えた通りに本当に上手に巻きつけていて、とっても驚きました。
とても良い表情をしていたのが印象的です。

そうしているうちに、石膏包帯(ギプス)はカッチカチに固まってきました。
最後にこれを何と包丁(革包丁:写真右参照)で切って行きます。間違って洋服を切ってしまわないかと、ドキドキ!
切って外したギプスは、身体の型のまま固まり、それをもとに、体幹装具(コルセットなど)が出来上がるのです。

今回の弟子入り体験学習を通して、子ども達に教える楽しさと同時に、伝える難しさを感じました。
また、子ども達の素直な反応や素朴な疑問に、私自身たくさん教えられた部分がありました。
これからも義足や義手・装具などをもっと身近に感じてもらえるように、自分自身も学び続け、教えていけたらと思います。
文責:仙台本社 高橋英悟